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最新クマ対策
最近、全国でクマの目撃情報をニュースでよく耳にしませんか。
私が子供の頃、こんなニュースが流れた記憶はなかったように思います。
毎日のように報道されるクマ被害に、とても恐怖を感じている今日この頃です。
弊社の林業事業は、山林に入って立木を伐倒したり、原木を運んだり、立木の調査をしたりと、
まさに大自然の中での作業のため、日々の安全対策が必要不可欠です。
そこで今回は、弊社で行っているクマ対策についてご紹介いたします。
その前に…クマの特性について少しだけ学んでおきましょう!
クマの特性
【種類】
日本には、2種類のクマが生息していると言われています。
ヒグマ…北海道に生息する。日本に生息するクマでは最も大きい。
ツキノワグマ…本州と四国に生息する。

画像出典:環境省 クマ類の出没対応マニュアル -改定版-
IV クマ類の生態と現状、図4-1-1 日本に生息するクマ類の外見的特徴より
【主な活動時間】
野生のクマは、早朝や午前中、夕方~日没前後、冬眠前の秋、
冬眠明けの春に採食活動が盛んになるそうです。
尾瀬では、朝5時~9時、夕方4時~7時の間で目撃情報が多いと注意喚起されています。
【嗅覚】
クマの嗅覚は、犬の10倍ほどもあると言われるほど鋭いそうです。
それは、土の中に埋めた物を見つけ出すほどとか。
【聴覚】
非常に優れていて、音に対しては大変敏感だそうです。
高音に敏感で、低音に鈍感。
【視覚】
人並かそれ以上によい。
【子育て】
子育ては母グマの役割で、オスは一切子育てには参加しないそうです。
繁殖期以外は、オスとメスは別々に暮らし、子グマは、親離れ(独り立ち)する1歳半~2歳半までの間に生きる術を母グマから学ぶんだそうです。
子グマと一緒にいる母グマは、子を守ろうとする為、特に攻撃性が強くなる特徴があるので、
より注意が必要です。
参考:『公益財団法人 尾瀬保護財団HP』、『ヒグマを正しく知ろう-環境省』、
『クマに注意してください:関東森林管理局-林野庁』より
個人的には、ヒグマとツキノワグマでこんなにも体格差があることに驚きました。
以前、出くわしたクマが小型サイズだった為、子グマだと思い込んでいたら、実は母グマだったなんてニュースを耳にしたことがありますが、ある程度のサイズ感を認識しておく事も大切ですね。
特性を把握するだけでも、活動が盛んになる時間帯の外出を避けることが出来たり、
いかに食べ物の匂いを発さない事が重要かということが学べます。
また、子グマを発見したら、“近くには行動を共にする母グマが居る!”という危機意識を持つことで、より安全な行動を取ることが出来ますね。
では、ここからは、弊社が実際に取り組んでいるクマ対策をご紹介します。
遭遇しない為に行っている事前対策
①熊鈴
鈴を鳴らすことにより人の存在をクマに知らせることで、近距離で突然出くわすことを防ぐ効果があります。つまりクマを近寄らせないということ。耳の良いクマの特性を活かして、遠距離から高音で響く鈴の音で、事前にこちらの居場所を知らせるのに役立ちます。
弊社では山の調査時、10分に1度、犬の遠吠えのように吠えて、自分達の存在をクマに知らせて対策をしているメンバーもいます。
②携帯用忌避剤
クマの嫌う匂いを発する小さな携帯ポーチを、山に入る際のリュックに付け、匂いで近寄らせない対策。匂いが強い為、移動したあとも匂いが残り、クマ避けに効果的とされています。
③クマ(樹皮)剥ぎ
クマは、針葉樹の根本の樹皮を剥いで、形成層の中をエサとして食べようと木の根元を剥ぐ習性があるそうです。弊社でも、このクマ剥ぎがされていないか、周りの立木を確認しながら注意を払って山の調査を行っています。
④足跡
クマはとても大きな足跡を残します。地面に残った足跡にも気を配りながら、近くに居ないか警戒しながら、山林調査を行っています。
⑤ヘルメット
山に入る際は、必ず装着しています。施業するメンバーは勿論、調査に入るメンバーも必須です。万が一、転倒したり、頭上から枝葉が落ちてきたりというあらゆる危険を想定して装着しています。これはクマ対策にも活かせる部分なので、いかに自分の身を守る格好をするかという点も弊社では大切な安全対策としています。
⑥出没情報確認
山の調査に入る前に、畑や民家の近くの人にヒアリングします。
“朝夕吠えているよ”なんて、有力な情報を聞くことが出来るので、事前準備がしっかり行えます。
⑦爆竹
入山前に爆竹(20連発)を鳴らし、音でこちらの存在を知らせ、動物が嫌う火薬の匂いで近寄らせないようにします。イノシシやシカ対策にもなるんだそう。



熊鈴 忌避剤 爆竹
万が一遭遇した場合の対策準備
①熊スプレー
唐辛子の辛味成分であるカプサイシンを噴射することでクマから身を守る道具です。
5~10m弱の距離で使用するもので、いざという時の最終手段的なアイテムと言えます。
ただ、風の影響を受け易い為、風上から噴射することがカギとなります!
万が一、風下から噴射した場合、自分自身がスプレーを浴びてしまうことになるので、注意が必要です。

②発煙筒
煙と炎でクマがひるんだ瞬間に、避難することが期待できるアイテム。
クマも焼ける匂いや炎を嫌う様で、一時的な効果が見込めるそうです。
ただ、発煙筒の使い方や有効時間が5分間という特徴をしっかり把握していないと
いざという時に使用できないので、事前の確認が必要です。

③鉈(なた)
足場が良くない山もあるので、安全な作業の為に木に巻き付いたツルを切ったりする時にも使用します。鉈は、外敵から身を守るアイテムにもなります。
今回は、弊社が行っているクマ対策をご紹介しました。
幸いなことに、弊社では今のところクマ被害には遭っておりません。
しかし、今日のクマ出没情報を聞く限り、いつ山中で遭遇してもおかしくはないと感じます。
遭遇して慌てるのではなく、クマの特性をしっかり理解した上で、
事前にクマ対策を講じることがいかに大切かということを感じました。
皆様にも、日常や山へのレジャーやお出かけの際、是非ご参考いただけたら幸いです。
最後までお読みいただき有難うございました。
次回のブログも是非お楽しみに‼